ドイツの扉

ドイツの扉

1年間限定のドイツ生活。わからないことだらけだけど、ドイツの扉をたたいてみます。 → 2018年3月末に帰国しました。ちょくちょくドイツには行くので、引き続きドイツのことや日独異文化について書いていきます。

ドイツの9月はスモモの季節

ドイツの果物の旬を知るには、パン屋さんに行くのがおすすめ。必ず旬の果物を使ったケーキが売ってあります。

 

今はZwetschgeツヴェチュケと呼ばれる西洋スモモが旬。甘酸っぱいスモモをたっぷり使ったケーキは甘過ぎず、数あるフルーツケーキのなかでもお気に入りです。この季節にはお手頃な値段でスモモを買うことができるので、ドイツの家庭でもよく焼くケーキの一つなのだそう。

 

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先週夫の叔母さんの家に遊びに行ったところ、お菓子作りが得意な叔母さんがスモモのケーキを用意してくれていました。

 

 

ドイツの地味な世界遺産を訪ねてみた

ずっと欲しいなと思っているのが世界遺産の写真集。もう何年も前に旅好きの友人の家で見せてもらったのですが、眺めているだけでも旅欲が高まってワクワクします。

 

ドイツには約40の世界遺産があるようですが、やはり一番有名なのはケルンの大聖堂でしょうか。ドイツの世界遺産リストを見ると、見応えがありそうな建物や市街地がずらりと並んでいます。

 

そんななかでもひときわ地味な世界遺産を訪れる機会がありました。

 

その世界遺産とは「ローマ帝国の国境線」。

 

ゲルマン民族から国を守るためにローマ帝国が築いた壁はリメスと呼ばれ、マイン川からドナウ川まで続いていたそう。そしてその遺跡が世界遺産に登録されているようです。もともとイギリスにあるものが世界遺産に登録されていたのを2005年にドイツのものにまで拡大して適応したということらしいです。

 

シュヴァーベン地方に住む義理の兄を訪ねたときに、ついでに立ち寄ってみました。

 

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近くの村に車を停めて、トウモロコシ畑が広がる丘を登ります。

 

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トウモロコシ畑を抜けると…

 

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突然現れるガラスの箱。この中に壁の遺跡があります。

 

展示はごくごくシンプル。ドイツらしいといえばそうなのかも。

 

ガラスの箱にいた学芸員さんに、ここから車で10分ほど行った森の中に物見櫓の遺跡があるよとお勧めされたので行ってみることにしました。

 

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森の中に現れる壁。

 

そして横には物見櫓の復元版が建っていました。

 

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復元された櫓の写真を撮るのもあれだとおもったので、物見櫓のゆるキャラ?の写真を撮ってきました。ドイツらしい絶妙な地味さとダサさがいい味を出しているような気がするような、しないような。

 

こういう歴史的なものを目にするたびに思うのが、世界史をもっとちゃんと勉強しておけば良かったということ。ゲルマン民族ローマ帝国の関係の歴史を知っていると、歴史ロマンをより感じられそうです。

 

 

 

 

 

 

 

ドイツの子供番組はあなどれない

「このCDを聞き流すだけで英語がペラペラに!」というようなキャッチフレーズの英語教材がありますが、本当の意味で「聞き流す」ことができるのは既にかなりの上級者であり、また上級者であっても「聞き流す」ことは語学レベルの現状維持にはなっても上達にはつながらないと思っています。

 

「聞き流す」というのは、頭の中にある程度の語彙やフレーズがストックされた状態でなければできないと思うのです。自分の既に知っている言葉やフレーズが聞こえたところで、「このフレーズこの前勉強したな」「あ、この言葉はこういう場面でも使われるんだな」「こういう言葉と組み合わされて使われることもあるんだな」というふうに反応するのが「聞き流す」ということ。単語もフレーズもストックされていないのに音声を聞いても何のことやらわからないので、ただ音が流れていくだけ。

 

これを改めて感じるのは、ドイツ語のテレビを観たりラジオを聞いたりするときです。

私の場合、英語と違ってドイツ語はもとのストックが「ダンケシェーン」「グーテンターク」くらいしかなかったので、本当に全くと言って「聞き流す」ことができませんでした。何を観ても聞いても本当に何も情報が入ってこない。最初のころは単語やフレーズの切れ目すらわかりませんでした。

 

初心者の状態から3か月ほぼ毎日ドイツ語学校に通ってみて、少しずつ聞こえる単語は増えてきたものの、やっぱりまだ「聞き流す」ことは不可能です。

 

そこで活用しているのがドイツの子供番組、"Löwenzahn" (ルーヴェンツァーン)。ドイツ語の先生からおすすめされました。

 

1981年からドイツの公共放送ZDFが制作しているご長寿番組で、番組のホスト(2006年に新しい人に代わっています)が身近なものの仕組みについて紹介したり、自ら実験をしてみたりする番組なのですが、子供向けとは言うものの大人が見ても楽しめる内容です。

 

最初はただ番組のビデオを眺めているだけだったのですが、私のドイツ語力では「聞き流す」ことができないので、ただ見ているだけでは勉強にならないと気付きました。そこで、オンラインでドイツ語の字幕付きのエピソードを探し、字幕を付けた状態で観ることにしています。

Löwenzahn: Folgen mit Untertiteln - ZDFtivi Mediathek

 

字幕があると勉強になると思う理由は以下のとおりです。

 

1.リスニングだけではわからなかった部分が明確になる

2.知らない単語やフレーズが出てきた場合、一時停止して辞書で調べることができる

3.音声を聞いた後で自分も字幕を音読すれば発音の練習にもなる

 

要するに、字幕を付けた状態で番組を観ることで、リスニングの練習にもなり、語彙力の強化にもつながり、また発音の練習までできてしまうというわけです。

 

とはいえ、どんな番組でも字幕を付ければ勉強になるかというとそうではなく、やはり自分の語学レベルに合ったものを教材として使う必要があるなということを感じています。同じことをドイツ語のドラマやニュース番組でやってみたら、語彙も文の構造も複雑だし、音声も速すぎるので無理でした。

 

Löwenzahnは子供番組ではありますが、必要以上に子供っぽい言い回しが使われているわけではなく、かつ平易なフレーズが使われているので、ドイツ語学習初心者の私にはぴったりです。

ドイツで『風雲たけし城』が人気な理由

「日本といえば、Takeshi's Castleだよね!」

在独日本人なら一度はドイツ人に言われたことがあるフレーズだと思います。

 

1980年代に人気があったバラエティ番組、『風雲たけし城』は、なんとドイツでは未だに大人気。2017年にもなってまだ再放送があっているというのです。

 

なんでこんなに古い番組が今でもドイツ人に好まれるのかすごく不思議だったのですが、あるドイツ語の単語を学んで以来、その理由がわかりました。

 

その単語とはSchadenfreude シャーデンフロイデ

 

他人の不幸は蜜の味、と日本語で言うように、他人の不幸を喜ぶことを指します。

 

ある意味万国共通の人間の反応だとは思うのですが、ドイツの場合、割とみんなあっけらかんとオープンに他人の不幸を喜びます。

 

例えば、道の反対側で誰かが派手に転んだとします。日本だったら「あらら、大丈夫かしら?」と心配するような状況だと思いますが、ドイツ人は笑います。ドイツ人の夫や友人、ドイツ語の先生にもこのことについて尋ねてみたのですが、「大量に血が出ているなど明らかに深刻な状態でなければ、笑える状況」なのだそう。

 

はじめのころは「ドイツ人って性格悪いな!」と思っていたのですが、シャーデンフロイデを恥じている様子は全くないところをみると、ドイツではごく当たり前の反応なようです。

 

そして『風雲たけし城』はまさにこのシャーデンフロイデのための番組とも言えるのではないでしょうか。

 

 子供の頃リアルタイムで観ていたときの朧げな記憶ではありますが、たけし城は「失敗」をエンターテイメントにする番組だったと思います。一般の参加者が回転する巨大なウーパールーパーを飛び越えたり、大きなお椀型のボートでスライダーを下ったり、ぐらぐらする飛び石をジャンプして川を渡ったりするなかで、失敗して転んだり池に落ちたりするのがハイライト。

 

あくまでもテレビという一応「安全な」場での失敗なので、参加者が大怪我をすることはなく(裏では事故もあっていたのかもしれませんが)、笑っていい状況なのか笑うには深刻すぎる状況なのか迷う心配もありません。『風雲たけし城』は、ドイツ人が心置き無く他人の不幸を楽しめる番組ということで人気なのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツの胡蝶蘭はお買い得?!

ドイツの街歩きが楽しい理由の一つは、ドイツの家の窓辺が美しいこと。窓の外にお花のプランターを飾っている家も多いし、窓辺に花の鉢植えやリースなどを飾っている家も多いです。どちらも家の住人が楽しむためというよりも、家の前を通る人のための飾りというのが良いなと思うのです。

 

ドイツの窓辺に飾られている鉢植えで人気なのが胡蝶蘭。花が長く持つということもあって、本当に良く見かけます。

 

胡蝶蘭は日本ではどちらかというとお祝いなどで贈るための高級な花だという認識があったのですが、こちらでは割と身近な花のようです。1鉢いくらくらいするのだろうと思っていたら、ちょうど今週のスーパーのチラシに載っていました。

 

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小さい鉢は6.99ユーロ、大きい鉢は12.99ユーロ。1〜2ヶ月は楽しめると考えると、かなりお得な値段なのかもしれません。

 

 

ドイツで毎日必ず持ち歩いているもの

ヨーロッパはどこも同じだと思うのですが、ドイツもトイレ事情が日本と比べて大変よろしくない。まずトイレの絶対数が少ないし、綺麗とは呼べないトイレの方が圧倒的に多いし、駅やデパートでさえトイレは有料のことがほとんどです。

 

そういうわけで、毎日必ず持ち歩いているのが1ユーロ硬貨。

 

トイレによっては入り口が改札のようになっていて、コインを入れないと入れないというところもありますし、入り口付近に座っている人にお金を渡してから入るというところもあります。トイレ使用料の相場は50セントから1ユーロ。

 

ドイツの鉄道の駅舎のトイレの多くは1ユーロを入れると駅のお店で使える50セントのクーポンが出てくるというパターンなのですが、たいてい駅のトイレを使うときには電車に乗る前のバタバタしているときなので、クーポンを使えたためしがありません。

 

また、トイレ料金とは別に、もう1ユーロ必ずバッグに入れて持ち歩いています。このコインは主にスーパーでカートを使用するためのもの。

 

ドイツのスーパーのカートは盗難防止のため、カート同士がチェーンでつながった状態で置かれていることがほとんどです。そのチェーンを外して使うためには1ユーロを持ち手付近のコイン投入口に入れる必要があり、使用後は前のカートのチェーンを自分のカートに差し込むことで1ユーロが戻ってくるというシステム。

 

たった1ユーロではありますが、ドイツ生活には欠かせない大事なものです。

 

 

 

 

ドイツのドアを愛でる旅 第2弾

いいドアが多い街に行くとテンションが上がります。コーブルクはいいドア率がかなり高め。ドア収集に適した日曜日に一人で行ったので、心置きなくドアの写真を撮りまくりました。

 

マニアックですが、きっとどこかにいるドア好きの方のために少しだけご紹介。

 

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コーブルク要塞内の建物の扉。

 

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市庁舎の扉。

 

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おそらくお店の扉。

 

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薬局の扉。

 

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アパート入り口の扉。

 

おまけ↓

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コーブルクのマンホールの蓋にはコーブルクの紋章にもなっている聖マウリティウスの顔が描かれています。マンホールの蓋とはいえ聖人の顔なので、なんとなく歩くときには踏まないように気を付けてしまいます。地元の人は平気なのでしょうか?