ドイツに持ってきて良かったもの 6
文房具が好きです。海外旅行の楽しみの一つは、現地の文房具をいろいろと試してみること。ドイツの文房具はデザインこそ無骨なものが多いものの、機能的で質が良いので気に入っています。
しかし、普段使いのボールペンについては話が別。
愛用しているのは日本ではお馴染みのジェットストリーム。油性なのに水性ボールペンのような滑らかな書き心地と、細字でもインクがだまになったりかすれたりしないところが優秀です。このジェットストリームに匹敵するボールペンがドイツではなかなか見つからないのです。
水性ゲルインクのボールペンであればドイツにも細字の良いものがあるのですが、油性ボールペンはどうしても太字のものが多くなります。そしてずるずるとすべるような書き心地。
ずるずるの油性ボールペンはアルファベットの筆記体を書くときにはとても書きやすいのですが、細かい漢字を書くのには向きません。漢字を書くのにはやはり日本のボールペンが向いている気がします。
デーパートや大きめのドラッグストアの文房具コーナーに行けば日本製のボールペンも売ってはあるのですが、なにせ高い。元の値段を知っているだけに、そして円安なだけにユーロの値段で買うのは厳しいものがあります。
そういうわけで、日本からジェットストリームの3色ボールペンを数本と、替えのインクをたくさん持ってきました。
ちなみに蛍光マーカーやカラーペン(水性)はドイツにも良いものがたくさんあります。お気に入りはスタビロ Stabilo のもの。デザインはもっさりしていますが、そのもっさり具合がドイツらしくてちょっとかわいいのです。文房具は軽くて場所も取らないので、ドイツ旅行のお土産にもオススメです。
ドイツのリサイクルシステム
エコ大国のドイツはリサイクル大国でもあります。ドイツのリサイクルシステムでいいなと思うのが、ペットボトルの返却システム。
ドイツではペットボトル入りの飲み物はあらかじめボトル代が上乗せされた値段で売られています。そしてそのボトルをお店に返すとボトル代(pfand プファンド)が返金されるというシステム。
例えば、これはスーパーで36セントで買った500mlのペットボトル入りの水なのですが、これにはボトル代25セントが含まれています。飲んだ後でお店に返せば25セントが返ってくるというわけです。
「返ってくる」といっても現金が戻るわけではなく、そのお店で使えるクーポンのような形になっているのがほとんど。
基本的にはボトルは買ったお店でなくても返却できるので、自分がよく買い物をする店に持っていけばOKです(他店のものは受け付けていないところもあるかもしれません)。
返却の仕方ですが、スーパーであればほとんどのお店にペットボトル返却用の機械がありますので、返却口にボトルを入れるだけ。ボトルが機械に吸い込まれていった後にクーポンの印刷ボタンを押したらレシートのようなものがプリントされてでてきます。それをレジに持っていけばお金と同じように使うことが可能です。
ちょっと困るのがお店によってこの機械が置いてある場所が違うこと。すぐには見つからないことも多々あります。
お店の入り口付近の小さな小屋の中にあるパターンや、お店を入ってすぐのところにあるパターン、お店の中の飲み物売り場にあるパターン、お店の奥の搬入口近くにあるパターンなどさまざまです。小さいお店だとレジで返却というパターンもあるようです。
なお、ペットボトルを機械で返却するときには以下のことに気をつける必要があります。
1. ボトルを潰さない
日本人としてはボトルを小さく潰したくなりますが、つぶすと機械がボトルのバーコードを読み取れなくなるため、つぶしてはいけないそう。いろはすのボトルほどではなくてもぺこぺこのボトルも多いので注意が必要です。
2. バーコード部分を汚さない
バーコードが読み取れないと機械にはじかれてしまいます。はじかれてしまうと返金してもらえません。
3. ラベルを剥がさない
ラベルにバーコードがついているので、剥がしてしまうと返金してもらえません。
4. 蓋を外さない
これは理由がわかりませんが、蓋を外していると機械にはじかれてしまうことが多いようです。
この機械をドイツ中に導入するのにどれだけお金がかかっただろうかと思いますし、維持費もそれなりにかかっているでしょう。それでもこれはとてもいいシステムだと思います。お金が返ってくると思えば誰もがすすんでリサイクルしようと思うもの。ペットボトルのポイ捨ても減るのではないでしょうか。
ドイツでのハエとの戦い
ドイツの窓は二重サッシだし、換気がしやすいように縦にも横にも開けられるという優れもの。ただ、ないんです。網戸が。
換気が命のドイツでは、しょっちゅう窓を開ける必要があります。それなのにドイツの窓には基本的に網戸はついていません。どうなるかというと、虫が入り放題。
住宅地には意外と蚊はいないのですが(山の中にはそれは大きな蚊がいますが)、今多いのがコバエ。果物を買って置いておくと、あっというまにすごい数のコバエが集まってきます。
日本のムシコナーズを窓の外に取り付けたい!!ベープを設置したい!!と思うのですが、うちのドイツ人(夫)は虫除けは人間にも有害だといって嫌います。そういうドイツ人は多いようで、虫除け製品はドラッグストアでもわりとひっそりと影の方に置いてある印象です。
そういうわけで、家ではかなり原始的な方法でハエと戦っています。結構効果があるので、コバエにお困りのドイツ在住の方がいたらぜひ試してみてください。
1. 小さいお皿かグラスに果物の切れ端を入れる。メロンか桃がとくに効果ありです。
2. 果物の切れ端がちょっと出るくらいに水を入れる。
3. 洗剤を1,2滴たらす。
以上です。
一晩でちょっとひくくらいにコバエが捉えられていました。
スイカだとだめだったので、コバエにも好き嫌いがあるみたいです。
ドイツレストランのチップ事情
海外旅行に行くと悩むのがチップ。日本人にとって馴染みのない習慣なだけに、いつ、どのタイミングでいくら渡せば良いのかと悩むことも多いもの。
ドイツのレストランでもチップの習慣はありますが、アメリカほどは重視されていないようです。アメリカだとチップもウェイターの給料の一部であり重要な収入源のため、食事代の15〜20%をチップとして支払うのが普通。一方でドイツではウェイターの給料はチップなしでも保証されているらしく、そんなにチップは必要ないそうです。
ドイツに来てすぐ、私の住む田舎町のレストランに行ったときのこと。アメリカの感覚でチップを払ったところ、ウェイトレスのおばちゃんからチップが多すぎると怒られ、「1ユーロで十分!」と残りは突き返されてしまいました。
チップが多くて喜ばれることはあっても怒られることがあるなんて!
これは田舎ならではのエピソードかもしれませんが、多すぎるチップは失礼に当たるようです。
じゃあ一体いくら払えばいいのかということですが、なかなか食事の同席者に「チップっていくら払うもの?!」とは聞きにくいもの。うちのドイツ人(夫)でさえ「君がこの食事にいくらのチップを払うべきだと考えるかを僕が決めることはできない」と頑なにチップの塩梅を教えてくれませんでした。
食事の際に周りの人たちの様子を観察した限りでは、高級店や特別なサービスをお願いしたのでなければ、基本的には食事代の端数を切り上げ+1ユーロで十分なようです。
例えば12.30ユーロの食事代であれば14ユーロを支払います。その場合、チップは1.70ユーロ。もしサービスが大して良くなかったり、9ユーロ以下の食事代であれば端数の切り上げだけでもOKです。アメリカだと1ドル以下のチップはあり得ない気がしますが、ドイツでは珍しいことではないようです。
この端数の切り上げ+1ユーロという基準がわかってからは、レストランでの支払いもスムーズになった気がします。とはいえ、レシートではなく口頭で(ドイツ語で)値段を言われたときにはいまだに動揺してしまいますが。
(↑ドイツ版餃子、マオルタッシェン。ベジタリアンのお店だったので中身はかぼちゃでしたが)
ドイツの柿はどこからきたのか?!
メロンとスイカが旬のドイツ。スーパーの果物売り場はいろんな種類のメロンとスイカで埋め尽くされています。なんせ一個一個が大きいので場所を取るメロンとスイカ。しかも一個1.5〜2ユーロ程度なのでゴロゴロ積み重ねられています。
そんななか、ひっそりと佇んでる柿を発見。
商品名もなんと、KAKI !!!
なんとなく、懐かしい友達を見つけたような気がして買ってきました。
ちなみにこの柿、ドイツ産ではなく南アフリカ産。そんな遠くで柿が作られているのかと思うとなんか不思議。
ちなみにドイツはどちらかというと地産地消をモットーにしている国なのか、ドイツ以外、特にEU圏外産の果物を見ることが少ない気がします。市場に売ってあるものはこの地域でつくられたものがメインだし、ちょっとお高めのスーパーだとほぼドイツ産の野菜か果物が売ってあります。
今回柿を見つけたのはディスカウントスーパー。安いスーパーには外国産も置いているのだと思います。季節が来ればドイツ産の柿も流通するのでしょうか?
ドイツ旅行の前には靴底の再確認を!
ドイツの石畳の道は雰囲気があって素敵。でも歩くとなると結構大変です。足を挫きそうになったり、お気に入りの靴をダメにしたりしてしまうことがあります。
同じ石畳といっても、戦後再建された街や大きな都市の場合は、それなりに同じくらいの大きさの石をなるべく均等になるように敷き詰めているため、歩くのはそんなに大変ではありません。石ではなくタイル敷きに変わっているところも多いし、人通りが多いところはアスファルトになっているところも。
問題なのは戦火を逃れた街の旧市街や田舎街の石畳。こういったところはそのへんから適当に持ってきた石を適当な間隔で敷き詰めてあるので、とにかくでこぼこ。尖った石が突き出ていることも珍しくありません。私の住む街もまさにこの古いタイプの石畳の道が多いのです。
ドイツの石畳の道の大変さはわかっていたつもりなので、日本からもってきた靴のほとんどはぺったんこのフラットシューズ。ところが、私が日本で履いていたフラットシューズは真のフラットシューズではないということをこの街の石畳に教えられたのです。
これからドイツ旅行を計画されている方は、今一度履こうと思っている靴の裏をご確認ください。以下のような靴は歩きにくい可能性があります。
1. 軽量スニーカー
軽さが売りのスニーカーのなかには、靴底の溝の間隔が広いものや溝が深いものがあります。私が日本から持ってきたスニーカーがまさにこれ。ジグザグの靴底なため軽くて通気性が抜群なタイプ。アスファルトの上を歩くぶんには全く問題ないのですが、広めの溝の間に尖った石がはまって痛い思いを何度もしました。
スニーカーは靴底ができるだけフラットなもので溝の幅が広くないものを選んだ方が良さそうです。
2. フラットシューズだけどヒール部分の接地面が小さいもの。
日本で売ってあるフラットパンプスの多くがこの手のヒールの形をしている気がします。爪先がほっそりしたフェミニンなタイプは特にそう。ヒール自体が小さければ、いくらヒールの高さがなかったとしても細いかかとのハイヒールと変わりません。石畳の間にはまったり、斜めの石から落ちそうになったりします。ヒールが低いだけに、靴本体のかかと周りが石にこすれて傷んでしまうことも。
3. ゴム底のコンフォートシューズなのにかかとから接地面にかけてヒール部分に傾斜がついているもの
この説明では伝わりにくいかもしれませんが、要するに靴のかかと部分とヒールの接地面が同じ太さではないものです。
私の中で史上最高に歩きやすいと思っているゴム底のパンプスがあるのですが、この靴がまさにこのタイプでした。ヒールの接地面がかかと部分よりほんの少し狭くなっています。ゴム底なだけにそのクッション性があだになり、不安定な石の上だと余計にグラグラしてしまいます。アスファルト上では「走れるパンプス」なのですが、石畳の上では危険です。
難易度の高い石畳の街に住んでみてわかったのは、大事なのはヒールの低さではなくヒールの太さだということ。特にヒールの接地面とかかとが同じ太さであるということ、そしてヒール部分には余計な溝がないということが重要です。この条件さえ合えば、ハイヒールでも大丈夫。ちょっと前に流行っていたチャンキーヒールなんかはドイツの石畳向きと言えます。
フェミニンな靴がなかなか履けないのが残念ではありますが、ドイツを楽しむには靴は重要。旅行の前にはぜひもう一度履く予定の靴の靴底を確認してみてください。
ちなみに、嘘みたいな話ですが、つい先日私の語学学校のクラスメイトが履いていたナイキのエアマックスのエアー部分が石畳にはさまり、穴が空いてしまいました!こんなこともあるので、靴底の頑丈さは本当に本当に重要です。
ドイツのオーガニックコスメは悪くない、かもしれない
「ナチュラル」とか「オーガニック」という言葉になんとなく拒否反応がある私。確かに良いものなんだろうけど、オーガニックというだけでもてはやされたり、値段がバカに高かったりするのが気になります。
化粧品に関しては、気持ちの問題だけではなく、肌が拒否反応。敏感肌にも優しいはずの「ナチュラル」コスメに何度かぶれたことか。どんなに口コミが良いものでも、肌に優しい系の化粧品がことごとく合わない天邪鬼な敏感肌です。私は草まけもしやすいし、南国系のフルーツを食べると唇が腫れることもあるので、多分体質の問題なのだと思いますが。
ドイツはオーガニック(BIO)コスメの種類が豊富な国なので、ドラッグストアにも薬局にもナチュラルコスメがずらりと並んでいます。しかも日本と比べると価格もそんなに高くありません。この値段ならオーガニックもいいなと思えるレベル。
こういう自然派の化粧品が肌に合う人はいいなぁ、と思いつつ、これまでは素通りしてきたのですが、つい先日思い切ってドイツでナチュラルコスメを買ってみました。
ドイツの庶民的オーガニックコスメメーカーの代表ともいえるLaveraの口紅です。
オーガニックなのに、なんとお値段は6ユーロ弱。失敗しても諦めがつく値段だったこともあり、試してみることにしました。
色は32 Pink Orchid。青みがかった濃い目のピンクです。
まず驚いたのはその発色の良さ。
ナチュラル系コスメは発色が悪いという印象を持っていたのですが、ほぼ見た目の色のまま発色します。発色が悪いことを見込んで濃い目の色を買ってしまったけれど、もう少し薄い色でも良かったかも。
また、濃い色の口紅だからということもありますが、持ちも悪くありません。もちろん、落ちないことを売りにしているケミカルな口紅に比べたら持ちは良くありませんが、すぐに色がくすんでしまうことはありませんでした。
なにより良かったのが、変な香料が入っていないこと。
海外の口紅はどうしても香料が強いことが多く、その匂いで気分が悪くなってしまうことも。でもこの口紅はほぼ無臭です(鼻を近づければ蝋燭のような原料臭はしますが)。
ただ、ちょっと乾燥しやすい気はします。
私は唇が荒れやすいので、白色ワセリン(サンホワイト)を薄く塗ってから口紅を塗るようにしていますが、いつも使っている化学物質バリバリの口紅に比べると乾きやすい。でもいまのところ唇の皮がむけたり、腫れたりということはありません。
まだ口紅一本試しただけではありますが、ドイツのオーガニックコスメも悪くないかもしれません。