ドイツの扉

ドイツの扉

1年間限定のドイツ生活。わからないことだらけだけど、ドイツの扉をたたいてみます。 → 2018年3月末に帰国しました。ちょくちょくドイツには行くので、引き続きドイツのことや日独異文化について書いていきます。

ドイツでカルチャーショックを経験した理由について考える

ドイツに来て約3ヶ月。新しい仕事や環境に慣れるのには3ヶ月必要だというのはよく聞きますが、確かに3ヶ月経って気持ちが随分楽になったのを感じます。

 

振り返ってみると、最初の1ヶ月は結構辛かった!カルチャーショックの見本のようなカルチャーショックを経験している自覚がありました。外に出たくない、外に出て現地の人と交流することに不安を感じる、道ですれ違う人達が自分に危害を加えるのではと恐怖を感じる、食べ物や食器などが清潔ではないのではと疑う、ただひたすら疲れる、などなど。

 

なにより辛かったのは、なんで私がカルチャーショックを受けているのか理解できなかったことです。

 

海外生活の経験もあり、仕事で海外に行くことも多い。文化の違いについての知識もカルチャーショックに関する知識もあると思っていました。それに加えて夫はドイツ人。ドイツにはこれまで何度も来ているのに、なんでこんなに辛いんだろう。なんで私が?と思っていました。

 

今考えると、私がカルチャーショックを受けた理由は以下のようなものだと思います。

 

1. ドイツ語ができなくても英語ができればなんとかなると甘く考えていたこと

 

ドイツに遊びに来るのと住むのとは大違い。観光地は英語ができる人が多いし、夫の助けもありました。でも田舎の町の役場やパン屋、肉屋などの生活環境では英語は役に立ちません。それに、四六時中夫に頼るわけにもいかない。通勤定期を買いに街の交通局に行ったときなんて半泣きでした。Google翻訳を駆使しながらなんとか定期は買えたものの、こんな簡単なこともできない自分が情けなくて。

 

語学学校の集中コースを受け始めて6週間、日常生活で必要な簡単な会話はなんとかできるようになってから、必要以上に緊張したり落ち込んだりすることはなくなりました。もちろんドイツ語レベルはまだまだ低いので、これから引き続き頑張らなくてはいけませんが、海外で生活する上で現地語を学ぶのは本当に大事だと感じます。

 

 

2. アメリカとドイツは違うのだと意識していなかったこと

 

学生時代も含めると合計で5年ほどアメリカに滞在していたので、海外ならどこでもやっていけるという気持ちでいたのがまず間違い。アメリカとドイツは大違いです。

 

とくに人付き合いの仕方が全然違います。アメリカ人の多くは会った瞬間からフレンドリー。5分後には友達呼ばわりです。それがすごく表面的で嫌だった時期もありますが、ドイツに来た当初はそれが懐かしかったです。ドイツ人の多くは初対面の人とは丁寧に対応しますが、距離があるんです。何度か会ううちに打ち解けてくれますが、それまでちょっと不安でした。

 

 

3. いろんなことが日本よりのんびりしていると理解していなかったこと

 

電車やバスがしょっちゅう遅れることも、郵便や宅配システムが日本みたいにしっかりしていないことも、レストランでなかなか店員さんが来てくれないことも、スーパーのレジで大行列ができていても店員さんは呑気にお客さんとおしゃべりしていることも、最初はすごくイライラしました。でもドイツではこんなもんなんだと思ってからは随分気持ちに余裕ができました。時々ふと忘れてイライラすることはありますが、日本とは違うしね、と自分に言い聞かせています。

 

4. 自分のプライドが高いこと

 

1番の理由と関係しますが、ドイツ語ができないせいで周りから一人前の大人として扱われていない感じがしたり、拙いドイツ語を人前で話さなくてはならないことに恥ずかしさを感じたりすることがストレスでした。そのせいでしばらくはドイツ語そのものに拒否反応が出て、夫がドイツ語で話しかけてきただけで悲しくなっていた時期もあります。

 

海外で生活するのにプライドは本当に邪魔もの。今でも完全に捨てているわけではないですが、「どっからどう見ても外国人です。頑張ってドイツ語を使う努力はしますが、私のドイツ語はひどいですよー。ごめんなさいねー。」という気持ちで生活しています。

 

これからどんなふうに気持ちが変化するかはわかりませんが、プライドのためにドイツ語を使うのをやめたり、英語だけで生活したりというのは避けたいなと思うのです。

 

カルチャーショックは一過性のものではなく、ターニングポイントごとにまたやってくるもの。次のショックが来た時には前回よりも早く立ち上がれるように、これからも私のひどいドイツ語で周りの人たちに話しかけていきたいと思います。

 

f:id:doitsunotobira:20170709222640j:image

 

 

 

 

 

 

 

ドイツのジェンダーロールについて考える

平日の夕方や週末にベビーカーを押すお父さん達をよく見かけるドイツ。男性も積極的に育児に参加している印象を受けます。私の周りでは働いている女性が多いし、ドイツは働く女性に優しい社会なんだろうなと思っていました。

 

ところが、最近気づいたのです。ドイツ人の女性でフルタイムで働いてる人は思ったより多くなさそうだということに。

 

私の家のすぐそばには小学校(日本とはシステムが違うので厳密には小学校ではないのだと思います)があるのですが、朝子供を学校まで連れてくるお母さん達はどうもその後すぐ仕事に向かう様子はなさそうで、ほぼ部屋着のまま他のお母さん達とおしゃべりをしています。うちのすぐ隣にある保育園に子供をバタバタを預けて仕事へ向かうお母さん達とはちょっと様子が違うのです。

 

しっかりリサーチをしたわけではないし、これは2013年の記事を参照したので古い情報ではありますが、ドイツではフルタイムで働く25歳から59歳の女性の数が他のヨーロッパの国に比べると少ないのだそう。ヨーロッパ諸国の平均が48%なのに対してドイツは41%。働くドイツ人女性の数自体は2002年以降7%増えているのに対して、フルタイムで働く女性の数は1%しか増えていないそう。要するに、パートタイムで働く人が多いということです。子育てと仕事の両立が難しいことが理由の1つとしてあげられていました。

 

(参照記事:

http://m.dw.com/en/fewer-german-women-work-full-time-than-eu-counterparts/a-16841952

 

国のリーダーが女性ということもあり、ドイツでは男性も女性も社会での役割を平等に分担していそうだと思っていましたが、表に見えるものと実情とは違うのだなと感じます。

 

こんなことを考えるきっかけになったのが、先日見かけたこの看板。

 

f:id:doitsunotobira:20170708231434j:image

 

家具屋さんの 駐車場にあった「子連れのお母さん専用」スペース。「親」でも「父親」でもなく、やっぱり子育てをするのは「母親」というイメージがドイツの社会にはあるのかもしれません。

 

 

ドイツでは毎週金曜がプレミアムフライデー

ここのところプレミアムフライデーという言葉すら聞かなくなった気がしますが、未だに日本では月末の金曜はプレミアムフライデーということになっているのでしょうか。

 

ちなみにドイツではシステムを導入せずともフライデーはプレミアム。しかも毎週のことです。

 

もうドイツ人にとっては金曜日もほぼ週末の感覚なんじゃないだろうかと疑ってしまうくらい、金曜の午後は働かない人が多い印象です。もちろん職場にもよるのでしょうが、私の職場では金曜は15時、16時に帰る人が多いし、私の夫の職場も金曜日は16時以降、働いている人もかかってくる電話も減るそうです。

 

そもそも金曜日には仕事に行かない人も。金曜日は通勤バスの乗客も少なめです。同じアパートのご近所さんは、金曜日は休みを取って1日ベランダでのんびりしているのをよく見かけるし、友達夫婦は金曜日から日曜にかけてしょっちゅうキャンプに出掛けています。ビアガーデンやレストランのテラス席も金曜日には早い時間からお客さんで溢れています。それに、金曜日には営業時間が短い商店も珍しくないところをみると、ドイツ人にとって金曜日は普通の平日とはちょっと違うみたいです。

 

もともとお財布の紐が固い人が多いドイツですが、休暇や趣味など、使うところではきちんとお金を使っているなと感じます。

 

 

ドイツのニベア、日本のニベア

海外で化粧品やボディケア用品を買うのには不安がつきもの。聞いたことのないブランドの商品がずらりと並ぶドイツのドラッグストアのなかで、唯一親近感を覚えるのが日本でもお馴染みのニベアが並ぶ一角。青いニベアのマークを見ると、なんとなく安心してしまうのは私だけではないはず。

 

日本を発つ前に買っていた日焼け止めもニベアのものだったのですが、それと似たパッケージのものを見つけたのでここ1週間ほど試しています。

 

f:id:doitsunotobira:20170706223811j:image

 SPF値も違うし、若干パッージも違いますが、それでもそっくり。これは顔用です。

 

f:id:doitsunotobira:20170706223912j:image

ついでにボディ用も買ってみました。お徳用ファミリーサイズ。

 

同じニベアだし、中身もそう変わらないだろうと思ったのですが、結構違いがありました。

 

1. 香料のキツさ

 

ドイツ版顔用=ドイツ版身体用 >> 日本版

 

2.白浮きしやすさ(馴染みにくさ)

 

ドイツ版顔用 > ドイツ版身体用 > 日本版

 

 

3. 保湿効果

 

ドイツ版顔用 >> ドイツ版身体用 > 日本版

 

ドイツ版顔用はよく言えば一日中しっとり。悪く言えばベタつきが1日残る。

 

4. 日焼け止め効果

 

日本版よりドイツ版のほうが落ちにくいため、効果がある気がします。ドイツ版はまだ試した期間が短いですが、日本版はSPF値が高い割に焼けました。外にいる時間が長い時は日本から持参したアネッサを使っています。

 

5. クレンジングのしやすさ

 

どれも変わらず普通のメイク落としで落ちます。

 

f:id:doitsunotobira:20170706225012j:image

 

全部塗って伸ばしてみたところ。左から日本版、ドイツ版顔用、ドイツ版身体用。日本版はほんのり黄色がかっているのが見えるでしょうか。やはり日本用は日本人の肌に馴染むように作られているようです。

 

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
にほんブログ村

ドイツでの恋人の立ち位置

今の夫との結婚を決めた理由の一つは極めて現実的なもの。結婚前、彼とは離れて暮らしていたのですが、もし彼が交通事故に遭ったり病気になったりして入院し、仕事を休んで駆けつけたいと思ったとしても、「夫が入院したので仕事を休みます」という理由は職場で許されるだろうけど、「彼氏が入院したので仕事を休みます」とは職場にはとても言えないと思ったから。

 

日本では仕事という場に「恋人」の居場所はない気がします(もちろん職種、職場にもよるのだとは思いますが)。「恋人」はあくまでプライベートな場に存在する人間であり、オフィシャルな場では存在しないものとして扱われていると思うのです。同僚の間でも、「奥さん・ご主人はお元気ですか」という会話はあっても、「彼女・彼氏はお元気ですか」という会話はありません。少なくとも私の職場では。

 

しかしドイツでは、恋人はオフィシャルな場でも存在する人間として扱われているよう。

 

例えば、私の夫の職場の食事会などで若い従業員が恋人を連れてくるというのはごく普通の光景。もちろん付き合って1週間の恋人を連れてくるということはないと思いますが、ある程度長く付き合っていれば、自分のパートナーとして職場の人たちに紹介するのはあたりまえ。周りの人も従業員のパートナーとしてその存在を認めています。

 

ちなみに私はもう妻ですが、夫の職場の食事会や飲み会があるときには私にも声を掛けてもらえます。日本の職場では食事会や飲み会に自分の配偶者を連れてくるということはほぼなかったので、なんとなく不思議な感じ。また、私が通っている語学学校では週に一度飲み会があるのですが、そこでも毎回「旦那さんも来るの?」「今日旦那さんは一緒じゃないの?」と聞かれます。私としては自分の学校の飲み会に夫を呼ぶというのは妙な感じがするのですが、あまりにも毎回のように聞かれるので、時々は誘うようにしています。学校の職員さんたちも夫・妻・恋人やパートナーを連れてくることが多いので、ドイツ人にとってこれはごく当たり前のことのようです。

 

 

 

 

ドイツにもシエスタがある?!

ドイツ人は勤勉というイメージがあると思うのですが、仕事中の彼らの集中力をみていると、実際勤勉な人達が多いのだろうなという気がします。

 

そんな彼らは休憩についても大変真面目。
休憩中は集中して休憩をします。

 

例えば、先日語学学校で学費についての質問があり、休み時間に受付に行ったときのこと。受付には2人の職員さんがいて、コーヒーを飲みながら話をしていたのですが、私が質問しようとすると「今休憩中だからあとでね。あなたも休憩中は休憩しなきゃ。ほらほら、コーヒーでも飲んできたら!」と追い返されてしまいました。途中でかかってきた電話も無視でした。

 

また、ドイツの昼休みは1時間半から2時間のところが多いみたい(もちろん職場によって違うと思います)。


私の職場の秘書さんは12時から2時まで昼休みだし、うちの近所の(=田舎)花屋や肉屋などの小さな店や事務所は12:00〜12:30から2時まで閉店。もうまるでシエスタ

 

ドイツの昼休みがこれだけ長いのには、レストランでの食事に時間がかかるというのが1つある気がします。ドイツでは日本のようにパパッと食事をすることはほぼ不可能。着席してから店員さんが注文を取りに来るまでに15分近く待つということも少なくないし、食事が出てくるのもゆっくり。また、会計は基本的にテーブルで行うのですが、食後に会計のために店員さんが来てくれるまでにも時間がかかるのです。日本の職場ではお昼休みは50分間だったのですが、50分でドイツのレストランでランチをするのはほぼ不可能。確かに最低でも90分は欲しいところです。

 

レストランがのんびりしているからドイツの昼休みが長いのか、昼休みがながいからレストランものんびりしているのか。いったいどっちが先なのでしょうね。

 

 

 

ドイツで化粧は子供っぽい?!

子供の頃初めて親に口紅を塗ってもらったとき、なんとなく大人になったようなくすぐったい気持ちがしたものです。

 

高校卒業間際に始めたバイト先で「大人として最低でも口紅はつけること」と店長から言われて以来、外に出るときには必ずお化粧をしてきました。最近では変わりつつあるのかもしれませんが、日本では「化粧=大人」という考え方が主流ではないでしょうか。

 

ところがドイツではどうもそうではなさそう。

 

ドイツでばっちりお化粧をしているのは主に中高生くらいと思われるティーンエイジャー。放課後ドラッグストアの化粧品コーナーにたむろしているのも彼らです。

 

ドイツの大人はほぼすっぴんか、口紅のみといったかなりの薄化粧。アイシャドウを付けている人はめったに見かけません。そもそも彼らは彫りが深いし、まつ毛もバッサバサに長い人が多いので、アイメイクは必要ないのかもしれませんが。たまにメイクをしている大人も見かけますが、大抵はロシア、東欧などの女性みたい。

 

私も見るからに外国人だし、別に日本的なメイクをしても構わないのだろうけれど、なんとなく周りに合わせて私もメイクは控えめにしています。今は日焼け止め、眉毛、口紅のみ。空気が乾燥していて化粧が崩れることもあまりないし、そもそも崩れるものがないので、口紅以外化粧直しもしません。

 

最初は鏡に映るいつも以上に薄い自分の顔に違和感を覚えていたけれど、もう慣れました。なんといっても朝が楽ちん!!!あまりにも楽なので、日本に帰国したときに元のメイクに戻れるかどうかちょっと不安…。