ドイツの医療システムに翻弄される
愚痴です。
約8か月ドイツで暮らしてみて、ドイツのいいところも悪いところも少しずつ見えてくるようになり、大抵の習慣の違いは受け入れられるようになってきたと思います。
でもドイツの病院受診のシステムだけは別。私が住む町が田舎だからというのもあって、とにかく酷すぎます。
婦人科で毎年受けている検診を受けたいと思い立ってから早3か月。いまだに予約が取れていません。
電話では埒が明かないので(そもそも電話を取ってもらえない)、市内の婦人科数件に直接乗り込んでいきましたが、「新規の患者さんは受け付けていません」「一番早くて次の予約は来年の3月です」とほぼ門前払い。妊活の相談もしたいというと「現在妊娠中の人しか受け付けていません」という冷たい仕打ち。
そして数日前から左耳に違和感があり、若干痛みもあるので耳鼻科にも電話をしてみたのですが、1日がかりでやっとつながった電話口の向こうでは「新規の患者は受け付けていない」の一点張り。耳が痛いのだという点を強調してみても、「ほかの耳鼻科をあたってください」と言われるのみ。他の耳鼻科って、この田舎にはそもそも3軒しか耳鼻科がありませんけど!!
ちなみにドイツには「かかりつけ医」というシステムがあり、通常はどの家庭も何か異常があれば自分のかかりつけのドクターにまず診てもらってから必要に応じて専門医に紹介してもらうというのが普通。しかし、地元から離れて暮らす超健康体のうちのドイツ人夫には、いまだにこの町のかかりつけ医がいないのです。
専門医に直談判してだめならば、まず私がかかりつけ医(通常は内科のドクターが多いみたい)を見つけて、その先生に耳鼻科を紹介してもらうしかないと思ったのですが・・・
ここでもまさかの「新規の患者さんは受け付けていません」という台詞に行く手を阻まれます。
近所のかかりつけ医候補の内科は3軒とも全滅でした。
市内にも内科の先生は何人かいるけれど、おそらくインターネットに載っているところは予約がとれないしどうしよう…と困っていたら、夫が近所の内科医院(新規は受け入れていないと一度断られたところ)にもう一度電話をしてくれました。
結果的に、「うちをかかりつけ医として指定し、この先専門医にかかるまえにまずうちの医院で診察を受けるという契約にサインをするなら後日診察します」ということに。
専門医へ自分の患者をまわすと何か金銭的なメリットがあるのでしょうか。かかりつけ医に指定しないと診察してくれないってどういうこと?!とムカムカしています。とはいえ、とにかく誰かに診察してもらわないことには耳鼻科にもいけないので、このお医者さんをかかりつけ医として指定することになりました。予約は先なのでまだ会ってもいませんが。
ちなみにこの医院のネットでの評判はすこぶる悪く、「予約が取れない」「待ち時間が長い」「待合室が混みすぎていて、寒い雨の日なのに外で待たされた」「受付の人の態度が悪い」など散々な言われよう。ドクターについての批判はあまりなかったので、せめていいお医者さんであることを祈ります。
そんなこんなで病院へ行くという単純なことに大騒ぎしているわけですが、そもそもどんな病院でも予約が必要というドイツのシステム自体がどうかと思います。歯科検診や婦人科検診、健康診断などであれば予約する意味もありますし、日本でも評判の良い歯科や婦人科で新規の予約は受け付けていないといわれた経験もあります。でも内科や耳鼻科に関する不調があるときには「今」診てもらいたいもの。日本の内科や耳鼻科で当日診察してもらえなかったことがないだけに、ドイツでは内科ですら予約が取れないということにショックを受けています。
もちろん時間外診療を受け付けてくれる救急センターがある大きな総合病院もあるのですが、ドイツでは通常こういった総合病院は入院患者の対応がメインなのだそうです。私の耳の違和感もそこまで緊急性があるものではないので、ドイツ的手続きとしては、かかりつけ医を通してから耳鼻科に行くというのが筋なのでしょう。
大きな街ならもっと選択肢もあるのでしょうけれど、田舎ではかかりつけ医がいないというのはこんなにも面倒なことになるのかと驚くやら呆れるやら。こんなことならドイツに来てすぐかかりつけ医を見つけておけばよかった!
これからドイツの田舎に住む予定のある方は、身体に異常のないうちに早めにかかりつけ医を探しておくことを強くお勧めします!
ドイツで帽子はBoshi?!
寒くなってきたせいか、突然編み物がしたい欲求に取り憑かれています。編み物なんてろくにしたことなかったのに!
そういうわけで、ドラッグストアでかぎ針と毛糸を買い、ネットで動画を見ながらチマチマとネックウォーマーやらレッグウォーマーをかぎ針編みで作っています。無心で編み進めていると、瞑想してるような気分になるのが不思議。編み物は精神安定に効果がありそうです。
ちなみにドイツではかぎ針編みは「編み物」ではないそう。編み物をするという動詞はstricken、かぎ針編みはhäkeln。つい日本語の感覚でかぎ針編みのことを「編み物」と言ってしまうと、ドイツ人からの訂正が入ります。日本人にとっては糸を編む行為として編み物もかぎ針編みもどちらも同じと捉えることが多い気がしますが、ドイツ人にとっては使う道具が編み棒なのかかぎ針なのかで違う行為だというのが興味深いところです。
それはさておき。
先日ドイツ人の知り合いに「最近かぎ針編みを始めたよ」と話したところ、「うちの妻もかぎ針でボーシを作ってるよ」との返事が。Boshiって帽子のこと??と聞いてみると、なんでもドイツではMy Boshiと呼ばれるかぎ針編みの毛糸の帽子が数年前から流行っているそう。
ちょっと調べてみたところ、My Boshiはドイツ人の編み物男子二人が始めたブランドで、いろいろな色柄の帽子のデザインを提案し、それらを作るための専用毛糸とかぎ針、編み図、My Boshiブランドのどんぐりマークのラベルのセットを売っているようです。このスタイルが手作り好きなドイツ人にヒットして、かなりの売れ行きだとか。ドラッグストアにもMy Boshiの毛糸が売ってあるのを見つけました。
ちなみに、やはりBoshiは日本語の「帽子」からきているみたい。オンラインショップに記載されている帽子のデザインの名前も日本語のものが多く、「ヨコハマ」「ベップ」「ギフ」なんていう名前のものもありました。
もう少しかぎ針編みが上達したら、帽子も編んでみようかな!
ドイツの引越し祝いが異文化だった
先日夫の同僚の新居お披露目パーティーに呼ばれてきました。少人数での食事会などでドイツの個人のお宅にお邪魔することはこれまでも何度かありましたが、今回の招待客は約30人。大規模なホームパーティーに行くのは初めて。ドイツ生活にもずいぶん慣れてきたと思っていましたが、今回はいろいろと異文化だと思うことがありました。
1. 結婚してない恋人同士が家を買う!?
今回のパーティーの趣旨は、家を買って引っ越したから会社の同僚とパートナーをご招待というもの。ホストとして出迎えてくれた2人はてっきり夫婦だと思っていたのですが、なんとまだ結婚はしていないし、これからも子供ができるまでは結婚という形は考えていないそう。ドイツでは結婚せずに一緒に住んでいるカップルは多いですが、家まで買うんだ!とびっくりしました。
2. 新居祝いの定番はパンと塩!
私達夫婦はワインとケーキをお祝いに持って行きましたが、ブレッツェル(すでに塩がかかっている)やパンと塩の小瓶を持って来ている人が結構いました。ゲストが到着するごとにキッチンカウンターに積み上がっていくパン。これだけ大量のパンを消費するのは大変そうです。
ちなみに、新居祝いにパンと塩を持って行くのは「この家で今後食べ物に困ることが無いように」という願いのシンボルなのだそう。
(これは朝ごはん用に近所のパン屋さんで買ったパン)
2. 手作りケーキ率の高さ!
ドイツ人は事あるごとにケーキを焼きますが、今回のパーティーにもケーキを焼いて持って来ている人が何人もいました。パンの横に並ぶ大量のケーキトレー。さながらちょっとしたケーキビュッフェのよう。どれもケーキの種類がかぶっていなかったのが奇跡でした。
3. ベランダが天然の冷蔵庫!
当日の外の気温は3度。大量のビールケースと大量のワインがベランダに並べられていました。飲み物はここから好きにとってね、というスタイルでした。みんなよく飲むのでしょっちゅうベランダのドアが開くことになり、室内が結構寒かったです。
4. パーティーメニューはごくシンプル!
大量のパンとケーキはゲストが持参していたので、ホストの2人が準備してくれていたのはチーズのディップ数種類と果物。テーブルで食事をするわけではないので、手軽に食べられるものを用意するのがパーティーの定番なようです。
ディップのお皿の前には何味なのかを書いた可愛いカードが置かれていたり、可愛いナプキンが用意してあったりと、シンプルなメニューでも十分おもてなし感が出るんだな、と目から鱗でした。
5. 終わらない宴
これはドイツあるあるだと思いますが、パーティーが長い!とにかく長い!
今回は6時スタートだったのですが、12時過ぎても誰一人帰る様子がありません。1時半になってようやく明日朝から用事があるという人たちがポツポツ帰り始めました。私達もその人たちと一緒に家を出ましたが、まだ残っている人たちもたくさんいたので、いったい何時までパーティーが続いていたのかは謎なまま。
そんなこんなでいろいろと驚きや発見のあるホームパーティーでした。現地の人のおうちにお邪魔すると、観光で訪れただけでは見えない部分が見えるので、なかなか面白いものです。
ドイツのホットワインを家でも楽しむ方法
11月末になると、ドイツのあちこちでクリスマスマーケットが始まります。
クリスマスマーケットの楽しみの一つといえば、グリューヴァインと呼ばれるホットワイン。赤ワインにいろいろなスパイスとお砂糖が入ったもので、飲むと身体がぽかぽかと温まります。
日本でも冬には輸入食料品店などでグリューヴァインのボトルが売ってあるのを見かけますが、どれも結構甘い。
そういうわけで、ドイツに行くたびに自分へのお土産として買ってくるのがこちら↓
グリューヴァイン用スパイスの素です。ティーバッグにスパイスが入ったもので、近所のスーパーでは5袋はいって1.98ユーロでした。ティーバック1つにつきワインボトル1本分のグリューヴァインを作ることができます。
作り方はすごく簡単。用意するのは安いワイン、スパイスの素、砂糖の3つ。
1.お鍋にワインをあけて、弱火で沸騰しないように気を付けながら温めます。沸騰するとアルコールが飛んでしまうので注意です。
2.あたたまったらスパイスの素をお鍋の中に投入し、10分ほど置きます。
3.そこにお好みの量の砂糖を入れて味を調節します。はちみつでも美味しいです。
グリューヴァインは赤ワインを使うのが一般的なようですが、私は白ワインのほうが好きなので、グリューヴァインも白ワインで作ることが多いです。
このスパイスの素を使えば、甘さもスパイスの濃さも自分で調節できるのが嬉しいところ。そしてなんといっても安上がり!
これからドイツに旅行に来る方には、ぜひお土産としてお勧めします!
ドイツのおすすめハーブティー その2
食欲の秋。美味しいものが増えるこの時期はついつい食べ過ぎてしまい、胃もたれに苦しむことも。
そんなときにドイツ人が飲むハーブティーがこちら↓
フェンヒェル(英語ではフェンネル)のお茶です。日本語ではウイキョウと呼ばれているものだそうですが、私はドイツに来てはじめてこの存在を知りました。
フェンヒェルのお茶は胃もたれや胃の痛みに効くと言われているのですが、これが本当に良く効きます!あまり胃が強くない方ですが、フェンヒェルのお茶のおかげで、軽い胃痛や胃もたれのときは胃薬がなくても大丈夫になりました。
フェンヒェルはドイツのスーパーでよく見かける野菜で、セロリを甘くしたような独特な香りがします。ヨーロッパでよくお菓子のフレーバーになっているアニスと同じような香りなので、好き嫌いは分かれるかもしれません。
ドイツで子供が親を呼び捨てにするのはどの程度一般的なのか
ドイツに来て思うのが、「この国ってほんとに少子化が進んでるの?!」ということ。
11月11日は聖マーティンの日で、カトリック教徒が多い街では、夜に小さな子供達がランタンを持って街の中を練り歩くという行事があります。当日の夜はこの行列が私の家の目の前を通っていったのですが、この街にはこんなに子供がいたのかと改めて驚くほどの子供の数。ベビーカーを押した親たちもたくさんいました。
私の周りにも子持ちの人が多いなか、時々気になるのが、子供に自分のことをファーストネームで呼ばせている人達がいること。初めて目撃したときには結構衝撃的でした。
だって、日本人の感覚だと、自分のお父さんに向かって「あ、和夫(仮名)、さっき幸子(仮名)がお風呂の電球が切れたから取り替えてって言ってたよ。」なんてとても言えませんよね?!
うちのドイツ人の夫いわく、子供が親をファーストネームで呼ぶのはそんなに一般的ではないようではありますが、友達みたいな親子関係が理想という考え方のドイツ人もいるということなのでしょうか。地域差や年齢差などがあるのかなども気になるところです。
ドイツのローカルイベントでお目当てのもの
毎日「寒い」という言葉しか出てこないくらい寒いドイツ。先週日曜日は私の町でもついに初雪でした。雨の予報だったので、みぞれ程度かと思いきや、屋根が白くなるくらい結構しっかり降ったのでびっくり。
そんな日は1日家にこもっていたいものですが、その日は近所で季節ごとに立つ市場のイベントがあるということだったので、寒い中出かけてきました。
お目当ては、鱒(ます)のグリル。
地元の釣りクラブのおじさんたちが鱒を焼いてくれる屋台があるのですが、イベントのたびに大人気。前回の夏のイベントで食べそびれていたので、この日を待ち焦がれていたのでした。
ドイツでは普段は豚肉とソーセージばかり食べているので、魚(缶詰や瓶詰めではないもの)を食べられる機会はとっても貴重。
お皿からはみ出るほどの大きな鱒。香ばしくてジューシーで大満足の美味しさでした!