ドイツ人にとって音楽の趣味はどの程度プライベートなトピックなのか
「いつもどんな音楽聴いてるの?」と質問されることは日常生活において少なくないと思います。たとえば美容院でいつもと違う人に担当される場合、職場で顔見知り程度だった人と飲み会で隣の席になったとき、友達の友達という顔ぶれが集まるパーティーや飲み会。音楽の趣味というのはいわゆるスモールトークのお決まりのトピック。
最近ふと思ったのですが、ドイツに来て以来この質問をされた記憶がありません。あえて言うならドイツ語のレッスンで好きな音楽について話すという課題があったときくらいでしょうか。同年代のドイツ人たちとスモールトークをするというシチュエーションはこれまでもそれなりにあったのですが、音楽の話題になった記憶がないのです。
このことを夫に話すと、「音楽の趣味と政治的な立ち位置とか社会的階級がリンクしてることが多いからじゃない?」とのこと。これは夫個人の意見なのでドイツ人全員に当てはまるわけではないとは思うのですが、こういう音楽の熱狂的なファンはワーキングクラスで保守派、こういう音楽をよく聞く人はアッパーミドルクラスで左派、というようなイメージがあるようです。
そもそも音楽はポリティカルなものではあるけれど、ドイツではさらにそうなのかも。政治の話のようにスモールトークとしてタブーなトピックというわけではないのだと思いますが、ドイツにおいて音楽というのは少なくとも日本で考えられているよりはプライベートなトピックなのかもしれません。
とはいえ、これはあくまでも私個人の経験と夫の意見なので、「普通に音楽の話はできるよ」というドイツ人もいっぱいいるはず。音楽のことが話題にならないのは、私が話しをするドイツ人は主に職場関係だというのもあるだろうし、年齢によるものも大きいかも。大学生同士だったら音楽の話も気軽にできるのかもしれませんね。
ドイツでは音楽の趣味というトピックがどの程度プライベートなことなのかということについては、もうすこし観察していきたいと思います。