ドイツの扉

ドイツの扉

1年間限定のドイツ生活。わからないことだらけだけど、ドイツの扉をたたいてみます。 → 2018年3月末に帰国しました。ちょくちょくドイツには行くので、引き続きドイツのことや日独異文化について書いていきます。

ドイツの子供番組はあなどれない

「このCDを聞き流すだけで英語がペラペラに!」というようなキャッチフレーズの英語教材がありますが、本当の意味で「聞き流す」ことができるのは既にかなりの上級者であり、また上級者であっても「聞き流す」ことは語学レベルの現状維持にはなっても上達にはつながらないと思っています。

 

「聞き流す」というのは、頭の中にある程度の語彙やフレーズがストックされた状態でなければできないと思うのです。自分の既に知っている言葉やフレーズが聞こえたところで、「このフレーズこの前勉強したな」「あ、この言葉はこういう場面でも使われるんだな」「こういう言葉と組み合わされて使われることもあるんだな」というふうに反応するのが「聞き流す」ということ。単語もフレーズもストックされていないのに音声を聞いても何のことやらわからないので、ただ音が流れていくだけ。

 

これを改めて感じるのは、ドイツ語のテレビを観たりラジオを聞いたりするときです。

私の場合、英語と違ってドイツ語はもとのストックが「ダンケシェーン」「グーテンターク」くらいしかなかったので、本当に全くと言って「聞き流す」ことができませんでした。何を観ても聞いても本当に何も情報が入ってこない。最初のころは単語やフレーズの切れ目すらわかりませんでした。

 

初心者の状態から3か月ほぼ毎日ドイツ語学校に通ってみて、少しずつ聞こえる単語は増えてきたものの、やっぱりまだ「聞き流す」ことは不可能です。

 

そこで活用しているのがドイツの子供番組、"Löwenzahn" (ルーヴェンツァーン)。ドイツ語の先生からおすすめされました。

 

1981年からドイツの公共放送ZDFが制作しているご長寿番組で、番組のホスト(2006年に新しい人に代わっています)が身近なものの仕組みについて紹介したり、自ら実験をしてみたりする番組なのですが、子供向けとは言うものの大人が見ても楽しめる内容です。

 

最初はただ番組のビデオを眺めているだけだったのですが、私のドイツ語力では「聞き流す」ことができないので、ただ見ているだけでは勉強にならないと気付きました。そこで、オンラインでドイツ語の字幕付きのエピソードを探し、字幕を付けた状態で観ることにしています。

Löwenzahn: Folgen mit Untertiteln - ZDFtivi Mediathek

 

字幕があると勉強になると思う理由は以下のとおりです。

 

1.リスニングだけではわからなかった部分が明確になる

2.知らない単語やフレーズが出てきた場合、一時停止して辞書で調べることができる

3.音声を聞いた後で自分も字幕を音読すれば発音の練習にもなる

 

要するに、字幕を付けた状態で番組を観ることで、リスニングの練習にもなり、語彙力の強化にもつながり、また発音の練習までできてしまうというわけです。

 

とはいえ、どんな番組でも字幕を付ければ勉強になるかというとそうではなく、やはり自分の語学レベルに合ったものを教材として使う必要があるなということを感じています。同じことをドイツ語のドラマやニュース番組でやってみたら、語彙も文の構造も複雑だし、音声も速すぎるので無理でした。

 

Löwenzahnは子供番組ではありますが、必要以上に子供っぽい言い回しが使われているわけではなく、かつ平易なフレーズが使われているので、ドイツ語学習初心者の私にはぴったりです。