ドイツの扉

ドイツの扉

1年間限定のドイツ生活。わからないことだらけだけど、ドイツの扉をたたいてみます。 → 2018年3月末に帰国しました。ちょくちょくドイツには行くので、引き続きドイツのことや日独異文化について書いていきます。

ドイツの大人の恋愛事情

ドイツから帰国して2ヶ月が経ち、せっかく勉強したドイツ語をすっかり忘れつつあります。人間の忘れる能力ってすごい。

 

帰国前、ドイツ語を勉強するモチベーションが下がりまくっていたころ、もう教科書を読む気にならなかった私が唯一楽しみながら辞書を引き引き読んでいたものがあります。

 

それは地元新聞の「恋人募集広告欄」。

 

これだけSNSが普及してるなかで未だに新聞の恋人募集広告があること自体衝撃なのですが(しかも広告主の電話番号も公開されています)、この内容が異文化でなかなか面白いのです。

 

まず、新聞という媒体なだけあって、年齢層は高め。というか、かなり高め。70代後半の人も少なくありません。離婚した人や、旦那さんや奥さんに先立たれた人が多いみたい。短い広告の中に、「日に日に孤独が辛くなってきました」「もう一度誰かと二人、水入らずで過ごす時間を求めています」などと書かれていて、ちょっと切ない気持ちになることも。

 

とはいえ、年齢にとらわれずこれから一緒にすごせるパートナーを探そう!と思えるそのガッツが素晴らしい。街で見かける手を繋いで歩いている高齢のカップルのなかにも、わりと最近付き合いだした人たちもいるのかも。

 

また、広告を出している人たちの自己評価が清々しいほどに高いのも外国っぽい。「絵のように美しい女性です」とか「私はとても愛情深い」とか、それ自分で言っちゃう?!というような内容が綴られています。

 

とはいえ、恋人募集広告は人物を描写する形容詞の宝庫なので、ドイツ語の勉強にはもってこい。ちなみに、「treu 誠実な」「ehrlich 正直な」「fürsorglich 思いやりのある」はドイツの恋人募集広告における3大頻出単語。

 

ドイツ語を勉強しながらドイツの大人の恋愛事情を垣間見ることができるので、かなりおすすめの教材です。

 

 

ドイツから帰国して見えてくる日本のいいとこ、悪いとこ

ドイツから帰国して約2ヶ月が経ちました。

ドイツにはたった1年しか滞在していなかったので、帰国しても「逆カルチャーショック」はそんなに感じないのではと思っていたのだけれど、それなりにショックはあるものでした。

 

「ドイツだったら〇〇なのに、なんで日本では…」と思うこともあれば、「やっぱり日本は素晴らしい!」と思うことも。

 

今回は、「日本ってやっぱり素晴らしい!」と思ったことのリストを。

 

1. 日曜日に買い物に行ける

 

ドイツは基本的にスーパーもデパートも日曜日はお休み。日曜の午前中なんて、街はがらーんとしています。「あ!あれを買い忘れた!」と思っても、「月曜日の朝にあれがいるんだった!」と思っても、お店は開いていないのです。日本では日曜日にスーパーに行ったり、買い物に出かけたりできるので、「今日は何も買えない」という状況にならない安心感があります。

 

2. 日曜日や夜遅くにも宅配便や郵便を届けてもらえるし、配達時間指定ができる

 

これが一番「日本すごい!!」と帰国して思ったこと。ネットで買い物をしたら配達日どころか時間まで指定できる。そしてその時間通りに配達してもらえるなんて、なんてありがたい!ドイツだと、1日荷物を待ち構えていたのに結局来なかった…と思ったらポストに不在通知が入ってる(要するにドアベルすら鳴らしていない)なんてことはざらにありました。もちろん日曜は配達はありません。

 

3. 列に並ぶのが上手い

 

電車に乗り込む際に、割り込まれることがほぼない日本。駅のホームにできる列は美しいほど。ドイツはもう、ぐっちゃぐちゃです。まぁ、乗車口がどこにくるかわからない(ドアの位置の表示がホームにはないし、電車の停車位置も結構適当)ので、列が作れないというのはあります。それでも自分の周りで誰が先にそこに立っていたかはわかるもの。日本人だったらそのへんを考慮して譲り合いそうなものですが、ドイツ人はそんなことお構いなしです。

 

 

4. 店員さんの愛想がいい

 

スーパーでもコンビニでもデパートでも八百屋さんでも、みんな笑顔だ!!と軽くショックでした。高級レストランやホテル、観光地は違うのでしょうけれど、基本的にドイツ人の店員さんは無愛想。「私が対応してやってる」とでも言わんばかりの態度です。

 

5. 低価格のものでも品質が良い

 

ドイツに行く前は、100均は質が悪いものと思っていたのですが、帰国して100均に行ったときにはその品質の高さにびっくり。ドイツの100均(1ユーロショップ)なんて、「これ…ゴミ?」みたいなものが並んでいます。

 

ファストファッションにしてもそう。ドイツで9ユーロくらいで買ったTシャツは、1回洗濯したらビロンビロンに伸びました。ユニクロで1000円のTシャツならそうはならないはず。縫い目もまっすぐだし!

 

6. ご飯が美味しいし、種類が豊富

 

ドイツの食事は好きだし、全く不満はなかったのですが、それでもやっぱり日本のご飯は美味しい。そして1軒のお店で食べられるメニューの豊富さといったら!居酒屋で単品をいろいろ頼めるというスタイルはいいなぁと思います。ドイツだとお皿に肉やソーセージがどーーーーん!ザワークラウトもどーーーーん!という感じなので。

 

 

7. 日本語が通じる

 

当たり前なんですが、いちばんほっとするのはこれ。駅のアナウンスも聞き取れるし、マンションの貼り紙もGoogle翻訳を立ち上げなくても読める。ニュースも聞き流しても内容がわかる。「言葉がわからなくてご迷惑をお掛けします」という申し訳ない気持ちを常に携帯しなくて良いというのは、すごく楽なものです。

 

 

と、日本って素晴らしい!と思ったことをリストしましたが、これって日本の悪いところでもあったりするよなとも思うのです。それはまた次回。

 

 

 

 

真面目なドイツ人が仮装をするとどうなるのか

日本で仮装といえばハロウィンですが、ドイツ人が本気で仮装をするのはハロウィンではなくカーニバル。

 

かなり雑な説明ですが、カーニバルとはイースター(復活祭)に向けての断食が始まる前に、美味しいもの食べてはしゃいどこうよ!というカトリックのお祭り。だいたい2月の頭ごろになるようです。

 

ドイツでカーニバルが盛り上がるのはケルンやデュッセルドルフなどがあるラインラントと呼ばれる地域。バイエルン州ミュンヘンなどは盛り上がるみたいですが、私の街はそうでもないみたい。カトリック教徒が多い地域なのですが、だからといって必ずしもカーニバルの仮装やパレードを大々的に行うというわけではないようです。

 

とはいえ、ショッピングモールやスーパーのチラシには、コスチュームの広告が入るようになってきました。

 

衝撃だったのはこちら↓

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なんかちょっと違う忍者。しかも「健康」って。

 

カラフルなものも多く、大人も子供も仮装を楽しむようです。

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デザインのもっさり感がいかにもドイツ。やたらとユニコーンのコスチュームが多いのですが、最近の流行りでしょうか??

 

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 ↑マーカーペンの仮装はちょっと可愛い。

 

それにしても、普段あんまりはしゃがないイメージのドイツ人ですが、カーニバルの時期にはかなり羽目を外してはしゃぐそう。ちょっと見てみたい気もします。 

 

ドイツの税関Zollに正月などない

正月早々ドイツの税関から呼び出しのお手紙が届いてしまいました。

 

日本にいる叔母から「和食用の食材とお餅を送ったよ」と連絡があったので、その小包のことであるのはわかっていましたが、呼び出された理由がさっぱりわかりません。

 

税関からの手紙に添付された書類にも、支払いは0ユーロと書いてあるし。

 

とはいえ、税関まで取りに行かなければ小包が受け取れないので、夫に頼んで車を出してもらいました。

 

税関へは1月2日に行ったのですが、窓口には長蛇の列が!恐らくクリスマス前後に届いた小包関連で呼び出された人が多かったと思われます。

 

窓口で書類を渡し、なぜ呼び出されたのか聞いたところ、「小包のなかに薬が入っている」と言われました。

 

小包に貼られた内容物リストを見てみると、確かに「風邪薬」の文字が。窓口の税関職員の立会いのもと箱を開封させられ、叔母が送ってくれたパブロンの箱は没収となりました。

 

ちなみに、「薬はどれ?」と聞かれ、私が箱をガサガサしていたときに、「これか?」と職員さんが怪しんだのは昆布茶の缶。「それはお茶です」と説明したらあっさり受け入れてくれたけれど、パッケージは全部日本語だし、薬の可能性もあるわけで。ドイツの税関は厳しいようで適当だな、とちょっと心配になったりもしました。

 

ともかく、日本からドイツへ小包を送る方、薬は没収されますので送らないように注意ですよ!

 

 

ドイツ版おみくじは怪しげな儀式?!

お題「おみくじ」

 

大晦日は家で夫とお酒を飲みつつ近所の花火を見て過ごしたのですが、年が明けてさあじゃあ寝ましょうかという時間になって、同じアパートに住む夫婦からお誘いがありました。

新年のお祝いということで飲み直したところで、ご主人がキャンドル、スプーン、水を張ったボウルを持ってキッチンから現れました。

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そして始まる何やら怪しげな儀式。

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写真だけ見るとヤバイものを溶かしてるように見えますが、実はこれ、ドイツ版おみくじのようなもの。

ワックスの塊を蝋燭の熱で溶かし(昔は鉛を溶かしていたらしい)、水の中にそっと流し入れます。溶けた蝋は水の中でさっと広がって固まるのですが、その形によってこの1年を占うのだそうです。

ちなみに私が溶かしたものはこうなりました。
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何に見えますか?

 

わたしには女性の横顔に見えます。

溶かした蝋が「女性」の形になったひとは、愛される1年になるのだとか(諸説あり)。



それぞれの蝋の形が何に見えるかでひとしきり盛り上がり、様々な形が何を意味するのかというのをネットで調べてまた盛り上がり、となかなか楽しい年明けとなりました。

ドイツで家庭用花火のゴツさに驚く年越し

お題「カウントダウンの過ごし方」

 

ドイツの大晦日といえばカウントダウンの花火。


日本でもテーマパークなどでは花火がメインイベントのようですが、ドイツでは各家庭で花火を打ち上げます。「打ち上げる」なんていうと大げさに聞こえるかもしれませんが、ドイツの家庭用花火は結構な本格派。日本の家庭用ロケット花火とは音も光もスケールが違い、まさに「打ち上げ」花火です。

2017年から2018年へと切り替わる瞬間には、町のあちこちでどっかんどっかん花火が打ち上がるのをベランダでお酒を飲みながら見ていました。まるでちょっとした花火大会のよう。360度打ち上げ花火に囲まれるというのは結構迫力があるものです。

 


ちなみに、先々週くらいからスーパーのチラシに花火が沢山掲載されていたのですが、ドイツの家庭用打ち上げ花火はこんな感じの見た目です。

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一度点火すれば、次々にいろんな種類の花火が打ち上がるという仕掛けなのですが、どう見ても武器。

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これは爆竹のようなものでしょうか。背景をキラキラさせてもなお醸し出される武器っぽさ。

スーパーで花火の箱を抱えているのは男性が多いようだったので、花火のパッケージデザインも男性ウケを意識しているのかもしれません。

 

 

ドイツの部屋は暗すぎる!

夏場にエアコンの温度設定を巡って夫婦で揉めるという話をよく聞きますが、うちの場合それは部屋の明るさ。

 

ドイツに限らずヨーロッパはそうだとおもうのですが、トイレや洗面所を除いた室内の照明は間接照明が一般的なうえにかなり暗め。うちの夫も薄暗いのが好きです。

 

夏の間は夜まで外が割と明るいのでそこまで気にならなかったのですが、冬は16:30にはもう外が真っ暗になるので、より部屋の暗さが気になります。ロマンチックなデートをするようなレストランならまだしも、食材の色がいまいちわからないほど食卓が暗いのも、リビングで読書もままならないほど暗いのも耐えられない!

 

せめてもうちょっと明るくしたいと私がぶーぶー文句を言うので、夫もあきらめて照明を増やしてくれました。それでもしょっちゅう「暗すぎる!」「明るすぎる!」と揉めていますが。

 

そういうわけで、我が家は夜でも読書ができる程度の明るさは保てていますが(それでも暗いけど!)、友人の家や親戚の家に遊びに行くと、よくこんなに薄暗い中で生活できるな…と思ってしまいます。義理の兄の家なんて、夜はキャンドルで照らされた洞窟のような暗さなんです。

 

ちなみに、夫が日本に住んでいたときは、日本の家に蛍光灯があることが信じられなかったそう。ドイツではオフィスやお店でしか蛍光灯使わないので、蛍光灯の明かりの下では仕事モードになってしまって落ち着かないとこぼしていました。

 

快適な明るさの基準というのは幼い頃から刷り込まれているものなので、暗すぎるのにも明るすぎるのにもなかなか慣れないもののようです。